【事業譲渡から1年】小規模洋菓子店のM&Aを経験した僕の体験談 | トモヒログ
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【事業譲渡から1年】小規模洋菓子店のM&Aを経験した僕の体験談

この記事は約12分で読めます。

トモヒロ
トモヒロ

どうも。茨城県在住の元洋菓子屋。現在は起業・販促コンサルの

トモヒロ(@mochizo_)です。

世の中はコロナで飲食店はとても難しい状況。
今日、明日の売り上げが不透明。

こんな状況でずっとお店をやっていても何の意味があるのだろう。

ひたすら料理を、お菓子を作り続けることに疑問を持ったり、いつ来るのかわからない、元の日常を夢見ているだけでは自分が飢え死にしてしまう。

そんなことを考えたのはおよそ2年前でした。

今回は僕が洋菓子店を売って、事業譲渡した経緯、思いなどを書きます。

参考になるかどうかわかりませんが、小さなお店でも、事業譲渡することはできるんだよと。
苦痛にまみれた店舗経営に終止符を打つことはできるんだよってことを
今苦境に立たされている小さなお店のオーナー、シェフ、職人に知っていただけたらと思います。

 

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洋菓子店を事業譲渡した体験談。僕の場合。

報告、として【お知らせ】洋菓子店事業を譲渡・売却しました。という記事を書きましたが、ここではあまり触れなかったこと。

M&Aエージェントとか、マッチングサイトには体験談を書いてありますが、あれって編集されてるので、基本的にいいことしか書いてないんですよね。

せっかく僕が書くので割と包み隠さず、真実を書こうかなと思ってます。

  • 事業譲渡を決意したキッカケ
  • 事業譲渡するまでにしたこと
  • 事業譲渡して得られたメリット、デメリット
  • 事業譲渡後の動き

と言ったところで、体験、経験という部分をメインに書いていきます。

事業譲渡を決意したキッカケ

事業譲渡を決意したキッカケ

いくつかあるんですが、

  • 母親の体力、体調の問題
  • 資金面
  • 人材面
  • 収益性

が主な理由ですね。

最も大きな理由は、一緒に店舗経営をしていた母親の体調不良と精神的疲労のところ。
僕1人で回すこともできましたが、二人三脚で作り上げてきた店舗だからこそ、できるところまで一緒にやりたいと思っていました。

ですが、体調的に継続が難しい、休養が必要であろう、というところが大きな決定打でした。

事業は何のためにやるものなのか、自問自答し続けましたね。

結局のところ、そこで働く人、オーナー、経営者が幸せになれない事業なら無意味ですよね。
しかも、最重要な首謀者である経営者が事業が原因で病んでいる。

これは本末転倒。

そう思ったのが最大の理由です。

 

資金面、人材面、収益性、というところは、もう経験値の少なさだと思っていて
僕自身25歳で地元に帰ってきて、社会人経験も少ない中、会社設立をしましたし。

単純に経験不足ですね。

看板商品を作ることで、売り上げを伸ばすことはできましたけど、どうしてもモノづくりの事業なので、その分工数が増え、原料費も増える。

結果は一緒だったんです。目の前を通り過ぎるお金の総量が少し増えたという程度。

 

こんな状況を解決するのには、やめるか、続けるか。
続けるにしても、どう改善していく?

その時は思いつくことがありませんでした。

ならばもうやめよう。
親子揃って疲弊してうんざりしていても、お客さんに満足を提供できない。

そう思い、閉店することを決意しました。

閉店を決めたけれど、なぜ事業譲渡に?

こんな感じで閉店することを決めたわけですが、事業譲渡になぜつながったのか。

閉店する日時を決めた

閉店しよう、と決めて。

そしたらいつ閉店するかということを考えました。

最近の流れとして洋菓子店はクリスマスよりも、バレンタイン・ホワイトデーの売上が高い傾向がありました。

それを理由に2020年3月末に閉店しよう。
2019年の9月ごろに、決意します。

半年の期間をかけてそのための準備をしていこう。と。

淡々と閉店準備するのは、普通すぎた

憔悴しきった母もいながら、「単純に閉店するのは誰でもできるし、何かいい方法はないか?」とリサーチをしていきました。

お店って、テナントで家賃を払って借りている場所の場合、
閉店したら現場復帰の義務が基本的にはあります。
スケルトン状態にしてお返ししなければなりません。

スケルトンにすると言っても、タダでできるわけではありません。

お店の広さにもよりますが、少なくとも100万円から数百万くらいかかります。

残った機材を売却してもそんなに値段はつかないですし、二束三文です。
運搬費用でチャラです。

そんなの絶対に嫌だわ。と思ったのです。

単純に閉店すると数百万も余計にお金がかかるなんて、そんなの無理!

 

そこで見つけたのが、M&A/事業譲渡という方法でした。

閉店の日時を期限に、事業譲渡にコミット

事業譲渡という方法があることを見つけて、改めて、ボスである母に説明。。

そんなの無理だよ、できるわけないよ、という感じでしたが、考えられるメリットを話して何とか説得。

2人で事業譲渡することを決意しました。

事業譲渡が優先、事業譲渡できなかったら閉店する。と決めたのです。

これで少し気持ちが軽くなって、何としても事業譲渡しようと。改めて動き出すことができました。

事業譲渡を決意したら、行動あるのみ!

事業譲渡をすること、最悪閉店すること、これを決めたら早かったです。

嫁入り先を見つけて可愛がってもらえればいいわけです。
手塩にかけて育ててきた娘を送り出す、親の気持ちが何となくわかるような気にもなります。

うまくいかなくって喧嘩したこともあるし、落ち込んだこともある。
変な奴に絡まれたり、思いがけもしない病気にかかって心配するしかなかったり。
本当に手をかけた娘、のようなお店です。

たくさんの思い出のある場所、人たちと一旦の別れをすることはもやもやとして、何とも言えない気持ちにもなります。

本当に嫁に出す親ってこんな感じかな、って思いましたね。

閑話休題。

事業譲渡の決意をして、何をしたかってことですが、

マッチングサイトに登録しまくる

これが主な方法でした。

M&A経験者が選ぶM&Aマッチングサイト5選。選ぶポイント教えます。にも記事にしていますが、複数のM&Aマッチングサイトに登録して、お見合い相手を待ちつつ、マッチングしそうな買い手企業さんにアプローチしていました。

会社や事業規模によって合うサイトはあるので、選ぶといいのですが、見つけたサイト全てに登録するくらいで良いと思います。
あちこちに露出して網を張っておく方がスピードも数もよくなりますので。

マッチングサイト、ですから、個人でいうとTinderとかpoiboyとかハピメールとかそういう感じですよね。出会いサイトのようなもんです。
使ったことがある人ならわかるかもですが、魅力を感じなければ返事は来ないし、マッチングしても、うまくいかない、ってことがほとんどですよね。

M&Aのマッチングサイトも同じです。

双方のタイミングだったり、置かれている状況などで全くヒットすることがなかったりします。

 

約半年間利用して、10社程度マッチングから面談まで行きましたが、全てダメでした。

信頼できそう、信頼できる社長・経営者にアプローチ

マッチングサイトでの活動に加えて、信頼できそうな、信頼できる社長さんや経営者さんに相談してました。

興味持ってくれそうな人がいたら紹介してください。って感じです。

正直恥ずかしさたっぷりでしたが、もうそれは押し殺して、恥はかきすて!話してみようと数名の方にお話をしました。

 

その結果、もう2月も終わりかけの頃に、
「それなら私が引き受けます」と言ってくださった方に、譲渡することが決まりました。

それから1ヶ月ほどのスピード手続で譲渡することができたわけです。

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お店を手放すことは悪いことじゃない。いいことが沢山ある。

お店、事業を譲渡することによっていろんなことがありました。

お店を売ることはなんか悪いことなんじゃないか、周りから何か言われたりしないか、と心配になったりします。僕もそうでした。影口やら悪口言われるんじゃないかって思いました。

でも、そんなことよりも大きなメリットがあったわけです。

もちろんデメリットはあった

メリットがあった!と言いつついきなりデメリットから書く。
変ですね、この方が話の流れとしては良いので、デメリットから書きます。

お店、事業を売却、譲渡することで出たデメリットは、

  • 収益がまるっきりゼロに
  • 逃げたとか言われるw

このくらいですかね。

まず僕の場合、会社は残りましたが、事業が何も無くなってしまったため、売上・収益がなくなりました。
正直これはちょっと辛かった部分です。

あまりキャッシュがない中、貯蓄を切り崩しつつ、何とかやりくりして過ごした1年間でした。

あとは、悪口、陰口はちょこっと聞こえてくることはありましたけど、気にしても仕方ないので放置です。
ゴシップが好きな方は放っておいていいかなって感じですね。
人の決断を笑ったり、変な風に悪い感じに話して吹聴する人はあまりいいことないです。やめたほうがいいです。

言われる側も気持ちが良くないですしね。
僕は相手にしない、気にしない、ってことで処理してました。

事業譲渡した後に明らかになった、メリット

デメリットもいくつかあったにはありました。

でもそれを上回るメリットがあったと思っています。

事前に予想できたこともありつつ、譲渡後にわかったメリットもあります。

  • お店が存続することで八方よし・All-Winに
  • スケルトンにする費用がかからず、さらに譲渡金を獲得
  • 経営者仲間から褒められる笑
  • 休養する時間が取れた
  • 新しい挑戦に向けて時間を作れた

と言ったことですかね。

お店が存続することで八方よし・All-Win

これは譲渡前から考えていました。

1つのお店に関わる人って、いろんな人がいます。

  • 経営者
  • 従業員
  • 顧客、お客さん
  • 仕入・納品業者
  • 商品の販売先業者
  • テナントの大家さん

などですね。

1つのお店がなくなることによって、これらの人たちが不利益を被る可能性があるんですよね。

経営者が変わっても、お店が続けば、

  • 従業員は働く場所がそのまま確保される
  • お店のファン、お客さんも同じく商品を手に入れられる
  • 仕入れ・納品業者も売上が立つ
  • 販売先の業者は売り場を別の商品で埋めるための努力が不要
  • 大家さんも賃料が継続して入ってくる

というようなことがあるんですよね。

結局そこに何があるかって、人の生活が、少なからずかかっているってことです。

遠回しに、僕らに会えないけど、お店は続いていてよかった、ということを聞いたこともありました。

スケルトンにする費用がかからず、さらに譲渡金を獲得

結構気づかないですが、これすごい効果があるんですよね。

スケルトンにする費用って100万円とか最低でもかかるんですけど、それが浮きます。

それでお店を売ったことによって、譲渡金を得ることができます。

契約の内容によっても変わりますが、少なからず、スケルトン費用がなくなるだけでもめちゃくちゃでかいです。

それに加えて譲渡金を得られれば、かなりのプラスですよね。

もちろん、事後処理や弁護士さんの費用などの費用などに充当てましたが、それにしてもあまりあります。

経営者仲間から褒められる

これは予想外でしたね。

お店を売却できるってすごいこと、何だなって僕は思いました。

事業を増やしていく人は少なからずいますが、お店を売ってしまうってことを決めるって相当なことなのだと思いました。

めちゃくちゃ嬉しかった覚えがあります。

休養する時間が取れた・新しい挑戦の時間を作れた

僕らの目的は、休養することがいちばんの目的でしたので。

毎日毎日お店を開けて、必死に営業をしていると、知らず知らずに疲弊していると思います。

これって結構気づかないかもしれないです。職人気質の人は特に。
夢中になっているうちに、年月も経ち、体も辛くなり、無理も効かなくなってくる。

でもやらなきゃならん。好きなことだし。みたいな。

それで何か不幸せなことがあるなら、僕としては疑問です。

事業譲渡することで、いちばんは何もしなくていい時間を取れたということです。

事業譲渡して2ヶ月くらいはぼーっとして過ごしてました。
次何しようかなーって。

好きなモノ食べて、好きなことをする。

本当にいい時間でした。人生の夏休み再び、と言った感じですね。

そのおかげで、地域メディアの立ち上げをしてみたり、しましたし。Youtubeもやったり。

そんな時間を作れました。
お店をやりながら、これできたらいいね、やりたいね。と言ってたことができたんですよね。(コロナのせいでできてないこともありますけど。)

事業譲渡後は一休みして、この経験を活かせば良いです

ここまで読んでみていかがですか。

お店や事業をやっていると得られない

  • 時間的自由
  • 場所の自由
  • 地位的な自由

などなどを一度手に入れてみませんか。

金銭的にはもしかしたら変わりがないかもしれません。
でも、ちょっとしたことで、単純に閉店するという選択肢よりは楽になれる可能性があります。

事業譲渡した後は、ゆっくり休みつつ次を考えましょ

ひとまず事業譲渡したら休んだらいいです。

旅行に行ってもいいですし、温泉旅館で湯治なんていうのも乙ですね。

ぼーっと綺麗な景色を眺めて、何も考えない。

長年頑張ってきたんですから、ほんの少しそんな時間を持ってもバチは当たりませんから。

 

思う存分ゆっくり休めたら、これまでの経験をもとに、また再起するだけです。

どこかに働きに出るのでもいいですし、経験を使って、誰かの役に立つ事業をおこすのもいいですね。

 

僕の場合は後者。
これまでの経験を生かして、ブログ書いたり、事業で悩んでる方や起業予定の方のお手伝いを少しずつですがさせていただいてます。

事業・お店を立ち上げられた経験のあるあなたであれば、多分、新しいビジネスを立ち上げることもできるはずなので、後者をオススメします。収益性もいいですからね。

新型コロナで抑圧されている飲食店にこそ知って欲しい選択肢

記事執筆時点では3度目の緊急事態宣言が出されている県があり、まんえん防止等措置も結構出てますね。

これで直面しているのが飲食店の方々。

テイクアウトや、宅配、出前などをしているかもしれません。

でも、どうしても売上が伸びないし、やっぱりお客さんの顔を見ながら、ということを考えると、胸が張り裂けそうです。

休業していても、国は補償をそこまで満足には出ませんから、 閉店や倒産、最悪破産ということも考えられているかもしれません。

閉店・倒産・破産を考える前に、一度でいいので「事業譲渡」を考えてみてほしい。と思います。

 

TwitterLINEでメッセージいただければ、お話聞きますので、気軽に声かけてください。
話すだけでもかなり楽になりますよ。

 

今回はここまででです。

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