手作りでチョコを作るのだけれど。クーベルチュールって何?普通のチョコレートとクーベルチュールとの違いがわからない。チョコレートについて調べていたけどクーベルチュールとは。こんなことをお考えではないでしょうか。
はい、私がお答えします。
僕は洋菓子店を経営してまして、チョコの季節には一人でひたすらチョコのお菓子を作ってます。シーズンに1万粒ものボンボンショコラを作ったり。いわゆる、ショコラティエって奴です。
チョコレート好きの方なら一度は聞いたことが有るであろうクーベルチュールチョコレートという言葉。
簡単に結論から言えば、クーベルチュールもチョコレート。
チョコレートの中の厳格なルールに則って作られた製菓用のチョコです。
詳しく解説していきます。
クーベルチュールチョコレートとは?
冒頭で書いた通り、クーベルチュールチョコレートとはチョコレートの厳格なルールにのっとって作られた、製菓用のチョコレートのことを指します。
具体的には
クーベルチュール(couverture)は、フランス語で「カバー(覆い)」という意味。
成分において「総カカオ固形分35%以上、カカオバター31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用不可」という厳格な規定がある。
Wikipedia クーベルチュール 概要より引用
ということです。
つまり、一定のカカオ分を含んでいて、カカオ由来の油脂分しか使っていないチョコレートがクーベルチュールチョコレート。
ということになります。
「総カカオ固形分35%以上、カカオバター31%、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の油脂不使用」というのは国際規格。
日本国内ではこれに則っていなくても「製菓用のチョコレート」として一部ではクーベルチュールとして売られているチョコレートも有ります。
クーベルチュールの言葉の意味
前項のwikiの引用にもありますが、クーベルチュールの言葉の意味は
フランス語で couverture 覆いかぶせる、毛布といった様な意味があります。
単純に意味をそのまま解釈すれば、クーベルチュールチョコレートはコーティングするためのチョコレート、覆うためのチョコレートという意味ですね。
クーベルチュールの用途・使い道
主にクーベルチュールの使い道は製菓用に加工されることを前提として作られています。
もちろん、そのまま食べても美味しいチョコレートです。
ですが、クーベルチュールは他のチョコレートよりも油脂分が多いので、ボンボンショコラやクッキーなどのコーティングに使うと艶やかな光沢を得られます。
また、チョコレートを使うケーキなど、レシピによって様々です。
加工することを前提としているので、クーベルチュールチョコレートのメーカーや銘柄によってはそのまま食べるのには向かないクーベルチュールチョコレートもあります。
市販の板チョコとの違い
市販の板チョコには、一般的にカカオ由来の油脂分(カカオバター)の他に、他の植物性油脂や粉乳、香料、安定剤などが配合されています。
これは主にそのまま食べることが目的となるチョコレートですので、食べた時の風味や口どけ、チョコとしての安定性を高めたりする意味があります。
つまり、カカオ由来の油脂分以外の植物性油脂が含まれているため、厳格なクーベルチュールの規格には該当しなくなるということですね。
また、クーベルチュールチョコレートはカカオバターのみで他の代用油脂を使用していないので、溶かすとさらさらっとした流動性が高いです。
しかし、一般の板チョコではカカオバター分が少ないためにどろっとした流動性が低いチョコが多い。
なので、流動性の高いサラサラっとしたクーベルチュールチョコレートは、コーティングするときに薄くコーティングができるます。ゆえにクーベルチュールチョコレートが製菓業界では一般的に使われているのです。
クーベルチュールの種類
チョコレート好きならご存知かもしれませんが
- ダーク(スイート・ビターとも)
- ミルク
- ホワイト
主にこの3種類がクーベルチュールチョコレートとして販売されています。
世界各国のチョコレートメーカーが様々なクーベルチュールチョコレートがありますが、基本的にはこの3種類に区別することができます。
ダーククーベルチョコレート
ダーククーベルチュールチョコレートは、
- カカオマス
- 砂糖
- 香料・レシチン
から主に作られていて、ストレートにカカオの風味を味わえるのが特徴です。
ミルククーベルチュールチョコレート
ミルククーベルチュールチョコレートは
- カカオマス
- 砂糖
- 粉乳
- 香料・レシチン
から主に作られます。
ダーククーベルチュールチョコレートと比べて、お分かりの通り、ダーククーベルチョコレートに粉乳、ミルク分を加えたものがミルククーベルチュールチョコレートです。
コクのあるミルキーな甘さが特徴ですね。特に日本ではダークよりもミルクの方が人気がある様に感じます。
ホワイトクーベルチュールチョコレート
ホワイトクーベルチュールチョコレートは
- カカオバター
- 砂糖
- 粉乳
- 香料・レシチン
などから作られます。
クーベルチュールの国際規格を考えればカカオマスが入っていないので、厳密に言えばクーベルチュールではないです。
しかし、便宜上クーベルチュールチョコレートとして扱われてます。
また、ホワイトチョコはカカオバターとミルクのシンプルな味でミルクの黄色っぽい白色をしています。
そんな特徴から、フルーツや抹茶、紅茶、スパイスなど様々な副材料と混合してフレーバーチョコレートのベースとしても扱われています。
世界中のチョコレートはクーベルチュールから
世の中に出回っているチョコレートのお菓子は元はクーベルチュールチョコレートから作られている。
と言っても過言ではないでしょう。
チョコレートの持つ持ち味をチョコレート職人、ショコラティエやパティシエが吟味して他の材料と合わせてチョコレートのお菓子になっています。
お菓子作りに特化したクーベルチュールチョコレート。このクーベルチュールチョコレートからみなさんの手元に美味しいチョコレートのお菓子が届いているんですねー。
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