ケーキ屋・パン屋・飲食店の失敗しない値上げのアイデアと方法【成功しやすい考え方】 | トモヒログ
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ケーキ屋・パン屋・飲食店の失敗しない値上げのアイデアと方法【成功しやすい考え方】

この記事は約8分で読めます。

材料費や包装材料の値上げ、人件費の高騰、配送料も上がってるし、そろそろうちも値上げしなければいけないかな。でもどうしたら売上を変えずに値上げができるのだろうか。

ってことは常にある悩みなんじゃないでしょうか。

消費税増税も目先に迫ってきていて、何かと経費の上昇が利益を圧迫してしまいがち。

一番簡単な解決法は商品の値上げ・価格改定だと思います。
できるだけ失敗しにくい、値上げの方法とを深堀していきます。

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ケーキ屋・パン屋・飲食店の失敗しない値上げアイデア

その方法・アイデアとしては次の通りです。

  • 商品はそのままで値段を上げる
  • 商品の量目を加減して値段を据え置くか上げる
  • 商品の入れ替えをして値段を上げる
  • 商品の魅せ方を変えて値段を上げる

それぞれ深堀りしていきます。

商品はそのままで値段を上げる

商品の形、量、見た目はそのままで値段を上げる方法。
ですが、アイデアとしてはアリですが、僕個人的にはオススメできないアイデアです。

じゃあなんで書くのか、というと、一番手っ取り早いからです。

とりあえず値上げしなければ!という考えで行動するとこのパターンになります。

 

少人数で店舗運営をされているお店だと、割とお店の経理とか事務的な作業をする時間が取りにくいことも多いと思います。まず値上げを、と思うのであれば、全品一律XX%値上げしてしまうというのも一つの手です。

後半で書きますが、値上げをきちんとする場合には、商品価格をしっかりと考えるための時間を作って、根拠づけをして、価値提供をすることを前提に値上げをされることをオススメします。

商品の量目を加減して値段は据え置くか上げる

商品の量目を加減して、値段を据え置くか、値上げをするパターン。

商品の量目、つまり内容量とか大きさ、数を変えて、それに合わせて値段の改定をします。

大きなメーカーでもよく使われる手法です。

例えば

  1. クッキー2枚で200円を 3枚で 360円 に値上げ
  2. クッキー2枚で200円を 1枚で 120円 に値上げ
  3. マドレーヌ180円 1個あたりの生地量 50g を 生地量40gで値段据え置き
  4. マドレーヌ180円 1個あたりの生地量 50g を 生地量40gで200円に値上げ
  5. 1台のホールケーキから10個のプチケーキ作っていたのを12個作る
  6. 1個のパンを作るためのパン生地の量を100gから80gにして値段据え置き
  7. ぶどうパンやくるみパンに練り込むぶどう・くるみの量を減らして値段据え置き
  8. 焼き鳥の串に6個刺すお肉の数を 1個減らして据え置き
  9. から揚げ1皿5個入500円を 10個1200円に値上げ

など。僕がケーキ屋なのでケーキ屋の例が多くなってしまいましたが、置き換えて考えてもらえれば簡単だと思います。

数字があるものは電卓で計算してみてください。全ての例でおよそ20%、2割程度の値上げ幅にしてみました。

1,2,のクッキーの例だと、元は1枚あたり100円でしたが、枚数を加減して、1枚当たり120円に値上げ。これだと20%の値上げになります。

据え置きのパターンだと、商品の内容量を減らせば、原材料原価が減って、値段を据え置くので、実質値上げになります。

9,のから揚げの例は数量・量目の変更と価格改定の合わせ技になってます。
こういうメニュー改定の場合は5個の元のものは削除するか、そのまま続けるなら5個680円くらいがいい感じですね。

実際にやってみた

僕のお店のケーキ屋でもこの方法はよく使います。

四角い大きなケーキからプチケーキを長方形のバー状にカットする商品があります。元の大きいケーキの1辺が33センチ。

これを前は10等分、つまり3.3センチ幅でカットしてました。
しかし、3ミリの違いってショーケースに並べてもわからないですし、作業性も悪い。
そういった理由から、11等分=3センチ幅でカットに変更。値段は据え置きにしました。

単純にこの場合10%、1割の値上げになります。
その結果、売れ行きは変わりませんでした。

身近な事例:うまい棒(やおきんさん・リスカさん)

僕はこのパターンを個人的に「うまい棒方式」と呼んでいます。

というのも、超有名な駄菓子のうまい棒ですが、10年前も20年前ももちろん今もずっと10円の販売価格で売っていますよね。価格据え置き。
一昔前と比べると、うまい棒はどうなってるでしょうか。

筒のような形状をしているうまい棒。

  • 空洞の穴は大きくなった気がしませんか。
  • 長さは短くなった気がしませんか。

わからない。というあなたは、この記事を読んだらコンビニかスーパーで1個買って来てください。10円です。

僕が子供の頃の記憶をたどると、やはり、もっと太くて、穴は小さかったように思います。

気づいていないだけで小さくなっているかもしれませんが、外側の袋の大きさはほとんど変わっていないと思います。

今のうまい棒はその袋に対して割とスカスカな感じ。

※一応、言っておきます。決して、固有の商品名を出して、悪口や批判をしているわけではなく、事例として挙げているので、悪意は全くありません。その点はご承知おきくださいね。

商品の入れ替えをして値段を上げる

商品を入れ替えて値段を上げる、というアイデアです。

季節ごとやイベントごとに商品を入れ替えるタイミングがあると思います。

そのタイミングで値段を上げていく方法です。

この方法はのメリットは、常連さんでも気づかれにくいこと。
よく商品やメニューを見ている常連さんでも、季節ごとの商品だと一番近くても1年前の記憶になるので、価格は全く覚えてないはずです。
一時的な限定商品や、イベントに特化した商品は特需があるので値段が高くても売れる傾向があります。

定番商品であれば、似ている役割、味、風味のものと交換して新しく出す商品を値段を高めに設定することで値上げができます。

商品の魅せ方を変えて値段を上げる

商品の魅せ方を変えて値段を上げる、方法です。

魅せ方=見せ方、飾り方、盛り付け方、価値の伝え方、商品の名付け方 です。

内容や、商品の本質を変えなくても、魅せ方だけで値段を上げることができるものもあります。

  • ケーキで、トッピングするフルーツやチョコパーツなどで派手に見せる。
  • パンで、できる限り長ーいフランスパン・バケットを作ってみる。
  • えび天丼で、えびを寝かせずに立てて盛り付けて商品名を「海老タワー天丼」にする。
  • いくら丼で、お客さんがストップと言うまで威勢良くいくらを乗せ続ける「つっこめし」
  • から揚げ1皿5個を10個にして「から揚げパーティ盛り」として売る。
  • 1リットルの巨大メスシリンダーにビールを注いで「1Lタワービール」として提供する。

などなど。

例に挙げたような商品は単純に、販売促進にもなります。

簡単にいえば「インスタ映え」してしまう商品、SNSにシェアしたくなるような商品にする。ということですね。

あとは、その商品をなぜそうしたのか、どんな人に食べてもらいたいか、利用してもらいたいか。
利用するとどんなメリットがあるのか。をプライスカードやメニューブックに明記して伝えるようにしておくことで、値段を上げることができます。

値上げは根拠をつけて価値をあげれば失敗しない。

失敗しないためにするべきことは、見出しの通りですが

  • 値上げの根拠を明確にする
  • 値上げ分の価値提供をする

この2つですね。こちらも説明していきます。

値上げの根拠を明確にする

まず値上げする根拠をしっかりはっきりさせることが大事だと思います。

  • 材料の値段が上がったから
  • 人件費が上がった、給料を多く出すようにしたから
  • 利益が取りにくくなった、取れなくなったから

などなど、理由は様々ですね。

そこできちんと商品ごとに原価計算をして、数字に根拠を持たせることが大事です。
原価計算の方法はしっかり利益を取る洋菓子店の原価計算のしかた教えますにも書いています。洋菓子店向けに書いていますが、他の業態でもある程度応用できるかと思います。
その商品で、1日いくつ売って、いくらの利益が欲しいのか。など考えつつ、価格に反映していきましょう。

値上げ分の価値提供をする

値上げをしたら、その分のなにかしらの価値提供をしたほうが良いですね。

これは前述の「魅せ方を変えて値上げ」と通じる部分があり、ある意味地続きの施策です。

値上げ前には商品の説明やメリットが明記されていないものをきちんと説明できるようにしたり。

新しい使い道や利用したあと、自分がどうなれるのか。を知らせることが新たな価値になりますね。

  • 商品の内容量を増やしたら → 家族や友達同士で分け合える。いろんな味を試せる。
  • 逆に内容量を減らしたら → ちょっと小腹に。1人分で食べきりサイズ。
  • 盛り付けを変えたら → インスタ映えします!同僚・友達に自慢できる!

など。

こういったことが伝わるように、伝えるように工夫するといいですね。
【個人店】商品価格改定・値上げ時のお知らせは不要です【買い控えされてしまうので】に書きましたが、間違っても、お知らせはしないほうがいいです。

この2点をお店に落とし込むこと

この2点を重要視して、大事に扱えば、お店の売上は伸びていくと思います。

どんなビジネス、事業をしても根本は、価値の等価交換をすること。だとおもうので、

貨幣の価値とサービスの価値のバランスが、いい感じならお客さんに買ってもらえますし、
貨幣の価値とサービスの価値のバランスが、悪いかどちらかに偏っていれば買ってもらえません。

このバランスに注意しつつ、きちんと数的根拠を元に値段を決めて、値段と同等かそれ以上の価値を提供することに集中しましょ。

それができれば、ほぼハッピーになれます。

この記事の根拠として、参考になる書籍


読みやすいマンガ版もあります。

上手な値上げで、お客さんも、お店も、あなたにもメリットのある値上げをしてみてくださいね。

 

長文を最後のここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回はこれにて!失礼しまーす。

 

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