チョコレートをもらって、食べずに忘れてしまって放っておいたら、なんだか白っぽくなってしまった。粉が吹いているような感じで、カビっぽくも見えるけど。これって食べても大丈夫なの?。とお悩みのあなた。
お答えしましょう。
単刀直入に結論をいえば、それはほとんどの場合は食べられます。
チョコレートに含まれる成分が表面に出てきてしまっただけの場合が多いです。
ちなみに僕は洋菓子店をやっておりまして、チョコレートが好きで、冬のチョコレートのシーズンには1万粒以上のボンボンショコラを作っております・・。
恥ずかしながら・・・いわゆるショコラティエです。
チョコレートが真っ白になってしまうその理由を解説いたします!
チョコレートが白っぽくなるブルーム現象とは
食べ忘れたチョコレートが白っぽく粉が吹いたようになってしまう現象。
これをブルーム現象と言います。
ブルーム、bloom 英語で(花などが)咲く
という意味です。
ブルームはチョコレートの成分が浮き出てきたもの
チョコレートが白っぽく粉が吹いたようになってしまう、ブルーム現象。
これは、チョコレートの中の成分である油脂分や糖分がチョコレート表面に浮き出てきて、再結晶化したものです。
ブルーム現象には2種類あります。
- ファットブルーム
- シュガーブルーム
です。
- 油脂分が表面に出てきたブルーム → ファットブルーム
- 糖分が表面に出てきたブルーム → シュガーブルーム
ファットブルームは触ると体温で油脂分が溶けて白っぽくなくなります。
シュガーブルームは触っても溶けずザラザラした感触があります。
ブルームを起こしたチョコレートは食べられるかどうか
ブルーム現象を起こしたチョコレートは、基本的に食べても害はありません。
ですが、通常のチョコレートに比べて、風味や食感は劣ります。
ファットブルームであれば、湯煎で溶かして、テンパリング作業をしてから固めればまた元に戻ります。
しかし、ガナッシュクリーム・プラリネ・生チョコ・キャラメルなどを含むチョコレートのお菓子の場合、普通のチョコレートに比べて水分が多いので、カビの可能性もありますので注意が必要です。
チョコレートにブルーム現象が出る原因
チョコレートにブルーム現象が出る原因は、
- 一度溶けてしまった
- 水分がチョコレート表面についてしまった
この2つのどちらかです。
チョコレートが溶けてしまった:ファットブルーム
チョコレートは28度以上になると少しずつ溶けだします。
この28度を超えて一度溶けると、チョコレート中の油脂分、カカオバターの結晶構造が不安定な状態になってしまいます。
その状態で再度固まると、チョコレート中のカカオバターが表面に出てきてしまい、ファットブルーム現象を起こしてしまうのです。
- 日中暑くなる自動車の中にチョコレートを放置してしまった
- 火の近くにおいてあった
- オーブンやレンジの近くに置いてあった
などが原因になりますね。
水がチョコレートに付着:シュガーブルーム
チョコレートの表面に水分が長時間付着した状態になると、チョコレート中の糖分が水に引き寄せられてチョコレートの表面に出てきてしまいます。
これがシュガーブルームの原因です。
シュガーブルームが発生するのは、チョコレートに急激な温度差を与えた時です。
チョコレートが冷えた状態から、常温に出すと、空気中の水蒸気がチョコレートの表面に結露して水滴になります。
そのままの状態で放置してしまうと、チョコレートの表面がザラザラと粉が吹いて白っぽくなってしまいます。
チョコレートのブルーム現象を起こさないために
チョコレートが白っぽくならないように。
チョコレートにブルーム現象を起こさないためにするにはどうしたら良いのか。
チョコレートの最適な保管・保存方法は
- 25度以下
- 直射日光の当たらない場所
- 多湿の場所を避ける
この3つがポイントです。
もし、該当する場所がないという場合には、
- 密閉容器で
- 冷蔵庫保管
が答え。
冷蔵庫保管をした場合、長く放置するとチョコレート表面に結露してしまい、シュガーブルームの原因となってしまいます。
冷蔵庫から出したら、すぐに食べるか、できるだけゆっくりとチョコレートの温度が変化するようにタオルや優しく断熱できるもので包む。などするといいですね。
せっかくのチョコレートだから美味しく
よくチョコレートのお菓子を作る僕からいうと、せっかくのチョコレートですから、美味しく食べてもらいたいと願います。
チョコレートにブルーム現象が起きてしまうとどうしても風味や口どけ、食感が悪くなってしまいます。
繰り返しになりますが、
- 25度以下
- 直射日光の当たらない場所
- 多湿の場所を避ける
この条件に当てはまる場所で保管して、早めに食べてもらいたいものです。
冷蔵庫で保管した場合も、冷蔵庫から出したてはカカオの風味を感じにくいので、常温にゆっくりと温度を戻してから食べると美味ですよ!
一応最後に注意。
チョコレートが白っぽくなっている場合、ブルーム現象を起こして白っぽくなっている場合が大半です。
しかし、ボンボンショコラなど、チョコレートの中にクリームやキャラメルやプラリネなどを使用しているチョコレートのお菓子だとカビてしまう場合もあります。
そういった場合には無理に食べないようにしてくださいね。
こういったことがないようにチョコレートの職人は衛生管理をしっかりして作ってます。
でも、完全に無くすことは難しいので、見つけた場合は食べないように。。。